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【おすすめ】刮目せよ!これが最強小説50冊だ‼

 

どうも、もぐらです。

 

今回は僕が今までの人生で読んできた小説の中からおすすめの50冊を厳選して紹介。珠玉の作品を余すことなく皆さんに知って頂こうという試みです。

 

ぜひご覧あれ。

 

紹介する前に一言

 

小説に関しては基本的に興味のあるものしか読まない僕なので、今回紹介する作品には若干の偏りが出てきたり、個人的な嗜好が色濃く反映している可能性があります。

 

そうなれば誰得なんだよ?って話ですが、もし仮に僕と似たような感性をお持ちの方がいらっしゃってここにたどり着いたのなら、きっとその人にとってこの記事は大いに役に立つんじゃないけ?と思ってます。

 

反対に感性が合わなくて、読んではみたものの駄作ばかり紹介しやがってとなってしまった方には先回りして謝っておくとにします。

 

あと正確には小説じゃない作品もいくつか紛れ込んでいますが、そこは広い心で受け流してください。

 

甘えた事ばかり言っててもしょうがないですね。はい、というわけなのでその辺に注意しながらぜひご覧ください。じゃあどうぞ。

 

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最強小説50作

旅人の浪漫が詰まった快作!/旅のラゴス

 

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。(Amazon)

 

なんだろう。1作目で発表することではないのですが、旅のラゴスほど僕の人生に影響を与えた小説はないんじゃないかなと思ってます。それほどまでに魅了されたし、大好きな小説。

 

かといって主人公のキャラもストーリーも特殊ってわけじゃなく、言ってしまえば平坦なんですよね。作中では別に大きな出来事なんて起こらないし、何ならただラゴスが旅に出て帰ってくるだけの話だったりする。けどそこは筒井康隆という天才が書いただけあって、まぁページをめくらせるめくらせる。

 

本作はうまく言葉には出来ないけど「何か旅っていいよな~」っていう旅人の浪漫がギュッと詰め込まれている快作です。

 

アメトーークで話題になった!/残像に口紅を

 

「あ」が消えると、「愛」も「あなた」もなくなった。ひとつ、またひとつと言葉が失われてゆく世界で、執筆し、飲食し、交情する小説家。筒井康隆、究極の実験的長篇。(Amazon

 

「残像に口紅を」は筒井康隆の挑戦的かつ意欲的かつ実験的な小説。

 

次々に言葉が無くなっていく世界、という天才的な発想はまさに筒井康隆といった感じ。僕はこの作家さんの作品が大好きで計10作品くらい読んでいるのですが、その中でも最も実験的な作品という印象を持ちました。

 

そして、特に圧巻だったのは文字数が限られてきた中でのラストシーンで、使える文字数に制限があるにもかかわらずページをめくるほどに迫力を帯びていって、筒井さんの語彙力の高さ、作家としての凄さを目の当たりにしたような気がします。

 

とはいえ、本作は小説と捉えるよりも作家としての実験作だと考えておいた方がいいと思います。

 

終末医療を受ける患者が最期に思うこととは?/死ぬ瞬間の5つの後悔

 

数多くの「最期」を看取った女性介護人が死の床で聞いた、誰にでも共通する後悔とは?人生は今からでも変えられる。器用に生きられないあなたに贈る一冊。(Amazon)

 

この作品は、終末医療専門の介護士である著者が、実際に死の淵いる患者から聞いた人生における後悔を5つにまとめたノンフィクションです。

 

まず、人間が最期に告白する後悔って普通に生活しているだけではなかなか知れるものじゃないので、この本の存在自体が凄く貴重だし、それを知ることが出来れば今を生きている僕らはこれからの人生を後悔せずに生きられるようになるっていう意味でも読む意義のある本だと思います。

 

読めば否が応でも人生と向き合わなければいけなくなる、貴重な読書体験を授けてくれる良書です。

 

人生で大切なことがたくさん詰まっている!/星の王子さま

 

砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった…。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。(Amazon)

 

世界各国、老若男女問わず愛され続けているサンテグジュペリの名作。

 

一見ただの児童書のようにも見えますが、この本の中には人生で大切な教示がたくさん含まれています。大人が読んでもハッとするような気付きに出会える全人類必読の作品でしょう。

 

新種の恐怖があなたを襲う!/火の粉

 

元裁判官・梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内が引っ越してきた。溢れんばかりの善意で、梶間家の人々の心を掴む武内に隠された本性とは? 怪作『虚貌』を凌ぐサスペンス巨篇。(Amazon)

 

サイコパスとはまた違う恐さを持った人間をセンセーショナルに描いた雫井 脩介のサスペンス小説。「やっぱり一番恐ろしいのは人間だよな」と再確認させてくれるような仕上がりです。

 

そんな渦中の人物である武内の恐さっていうのは、サイコパスのような直接的に生命を脅かされそうな恐怖じゃなくて、精神的に追い詰めてくる系の恐怖なんですよね。

 

善意を隠れ蓑にしているところは似通っていますが、性質は根本的に違う気がする。そういう感覚って昔からあったと思うんですけど、ここまでちゃんと描いている作品も珍しいかなと思うんで一読の価値は充分にあると思います。ぞわぞわっとして鳥肌が立つこと必至です。

 

叙述系トリックを扱った名作といえばこれ!/ハサミ男

 

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作! (Amazon) 

 

叙述系トリックといえば必ずといっていいほど名の上がる定番小説。

 

叙述系トリックゆえに説明が難しい小説ではあるんですが、基本的な部分(伏線、描写、大オチなど)をしっかり押さえた名作だと思います。紹介文にあるように、精緻にして大胆って評するのがピッタリな作品で、総合的に見てすぐれた作品ではないでしょうか。

 

デストピア小説の代表格!/1984年

 

 “ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。(Amazon)

 

将来を見据えたオーウェルの先見性に圧巻の1冊。

 

デストピア系の小説は初めて読んだけど、何もかもが衝撃でどこを読んでもいい気分はしなかった。けど、暗澹たる気持ちになっても諦めず読んどいて正解だと思いました。

 

だいぶ取っつきにくい作品ではありますが、読んで得るものはたくさんあるはずです。特に現代人にとっては。

 

1億総胸糞小説!/家畜人ヤプー

 

ある夏の午後、ドイツに留学中の瀬部麟一郎と恋人クララの前に突如、奇妙な円盤艇が現れた。中にはポーリーンと名乗る美しき白人女性が一人。二千年後の世界から来たという彼女が語る未来では、日本人が「ヤプー」と呼ばれ、白人の家畜にされているというのだが…。(Amazon)

 

日本人が胸糞になること必至の問題作。

 

SMの要素もありつつSFとしても機能している、稀にみる取り合わせの作品です。内容はタイトルから推測されるようなものですが、設定のデテールがしっかりしているためリアリティをもって読み進められます。

 

胸糞なんだけど、なんかクセになる。M気質を持っている方に特におすすめ。

 

SF小説の金字塔!/星を継ぐもの

 

月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作。(Amazon)

 

謎と謎解き。どちらもめちゃくちゃ秀逸な作品。ここまで好奇心を惹かれる謎と説得力のある謎解きがセットになっている作品にはそうそう出会えるもんじゃありません。

 

月で死体を見つける。けどその死体は5万年前の人間の死体だった。これを聞いて答えを知りたがらない人はどうかしているでしょう。

 

SFとしても1級品だし、ミステリーとしても1級品。読者に長く読み続けられているのにも頷けます。最後に大袈裟を承知で言いますけど、100年に1本あるかないかくらいの完成度だと思います。ごめん、誇張しすぎたかも。

 

笑って泣いて。また笑う。/サラバ!

 

1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに―。(Amazon)

 

まず、 サラバ!って表題が爽やかで西加奈子さんらしくていいですよね。

 

本作は1人の女性の人生で起きる様々な出会いと別れを切り取った、西加奈子さんの小説では定番となっている形。要は1人の人間が常に舞台の中心で立ち回るみたいなキャラありきの構成ってこと。

 

なので必然的にその女性をメインにストーリーは進んでいくのですが、サラバ!の主人公は西さんが生み出すキャラクター特有のひたむきさみたいなものが100%、いや120%反映されているので、共感できる人にはとことんできるだろうけど、共感出来ない人にとっては正直読みづらいんじゃないかなーなんて思ったりもします。

 

けど、共感できる人にとっては感動して涙腺がガバガバになるくらい最高の小説だと思うので是非読んでもらいたい。

 

旅を10倍楽しくしてくれる!/深夜特急

 

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く―。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや…。1年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ。(Amazon)

 

厳密には小説じゃないし、確かノンフィクションだったと思う。

 

じゃあなぜ今回紹介したのかというと、深夜特急がそんじょそこらの小説に負けないくらいストーリー性をもった作品だからです。一見するとただ旅の記録を残した日記みたいなものなんですけどね、読み進めるとまるでフィクションみたいな魅力を放っているし、リーダビリティが異常に高いことに気づきます。旅好きは絶対気に入る。おすすです。

 

ちなみに、本書は旅を予定している段階以外で読まないでください。旅特有の自由奔放さを読むだけで味わえるのが本書なので、何の気なしに読むと後先考えずに旅に出たくなる衝動に間違いなく駆られます。なので読む際は旅に出る予定を空けておいてから読まれることをおすすめしときます。

  

1969年の光!/69

 

1969年、この年、安田講堂事件が起き、東大は入試を中止した。アポロが月に行き、ビートルズが「アビーロード」を、ローリング・ストーンズは「ホンキー・トンク・ウイメン」をリリースした。ベトナム反戦運動が高まり、基地の町・佐世保で、僕は高校をバリケード封鎖した――。明るく楽しく生きる青春のエネルギーに満ちた日々を描いた永遠の古典。(Amazon)

 

村上龍作品にしては珍しい、ライトな語り口で綴られた小説。

 

「コインロッカーベイビーズ」や「インザミソスープ」や「限りなく透明に近いブルー」と比べるとよく分かるんですけど、それらとはエネルギーの発露におけるベクトルが真逆の方向を向いています。前者は真下に向かって沈殿していくかのようにエネルギーが放出されているのに対し、69は真上に突き上げるかのよう。

 

自分の中の熱量をコントロールする術をまだ持っていない若者のためのバイブル。そんな印象を受けました。村上龍さんの作品にあまりなじみがない人でも楽しめると思いますよ。

 

まるで海外文学のような読み口!/風の歌を聴け

 

1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。(Amazon)

 

書かれた時代的にも核となる部分は69と根本的に同じだと思います。要するに、青春の在り方みたいなことを表現しているのではないかと。

 

ただ、青春を村上春樹が描くとこうもオシャレになるんだといった所感。軽めのタッチで書き進められつつも所々で本質を突いたメッセージが混在している。村上作品の中でも比較的読みやすい1作。

 

奇々怪々!/独白する横メルカトル

 

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。(Amazon)

 

本作は奇妙奇天烈を地で行ったような小説です。形態としては短編集で、管理人のおすすめは表題の「独白する横メルカトル」と「無垢の祈り」辺り。

 

特に「無垢の祈り」は短編であるにもかかわらず映画化されるほどインパクトのある1作でして、悲惨的な状況の中でも光を求める少女のひたむきさが感じられていいです。

 

普通のストーリーに飽きたという方、刺激的な読書体験を求めているという方にピッタリな小説でしょう。

 

古典ホラーといえばこの人!/江戸川乱歩傑作集

 

日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。(Amazon)

 

 ホラー小説といえばこの人。江戸川乱歩。そして本作は、そんな江戸川乱歩の作品の中でもとりわけ秀逸な話を良いとこ取りした作品集です。

 

どれもこれも廃れることのない名作揃いではあるんですが、衝撃度No.1の「芋虫」、かの有名な名探偵が初めて登場した神回「D坂の殺人事件」、設定が常人離れしている「屋根裏の散歩者」辺りは短編小説としてほぼケチの付けようがない出来栄え。

 

ここまで秀逸な話ばかりの作品集も珍しい。

 

涙腺崩壊必至!/また同じ夢を見ていた

 

きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。学校に友達がいない“私”が出会ったのは手首に傷がある“南さん”とても格好いい“アバズレさん”一人暮らしの“おばあちゃん”そして、尻尾の短い“彼女”だった―(Amazon)

 

勘の鋭い方ならタイトルから何となく「どうせ夢落ちなんでしょ?」と予想しそうなものですが、安心してほしいです。夢落ちなんてありふれたもんじゃないから。

 

最近の作家さんの中で住野よるさんほど読者を泣かせてくれる作家さんはいない。確実に涙腺崩壊必至の名作です。

 

東野圭吾伝説はここから始まった!/仮面山荘殺人事件

 

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。(Amazon)

  

ミステリー小説ってある意味ストーリーの肝である仕掛けを思いついたもん勝ちみたいなところがあって、その上で最初にトリックを発表した人が評価されるみたいな流れがありますが、この作品もそのご多分に漏れず、”とある仕掛け”を世に知らしめたパイオニア的な小説です。

 

あの仕掛けは単純に騙されるし、他と比べてみてもかなり優秀な部類に入る。

 

東野圭吾初期の名作にして今なお評価され続けている時代を超えた傑作。ミステリー好きなら一度は読んでおきたいところ。

 

エンタメの極み!/天使の嘲り

 

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。(Amazon)

 

1冊にここまでエンターテイメントを凝縮させられる作家さんは多分この人しかいない。貴志祐介さんはそれほどまでに読者の欲求を満たすことに長けた作家で、それの集大成と言ってもいいほどの作品が天使の囀りです。

 

読んでしばらく時間が経つけど、未だに読後の余韻を楽しめる。そんな良質なエンターテイメント小説。

 

キャラの個性が炸裂! /密室殺人ゲーム王手飛車取り

 

“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである…。リアル殺人ゲームの行き着く先は!?歌野本格の粋を心して堪能せよ。(Amazon)

 

 インターネットが普及した現代ならではの発想で書かれた小説。

 

まず登場人物たちの個性が粒だっていて引き付けられらますし、ネットを使って殺人トリックを出題しあう様も強烈な厨二感が出てていい。狭い世界の中で最大の秘密(殺人)をキャラクターが共有しあうっていう世界観も秀逸でした。

 

もちろんトリックも綺麗にまとまっていて見所の一つです。

 

人間レベル2ってw/百瀬、こっちを向いて

 

「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。(Amazon)

 

作者は本格ミステリーで有名な乙一さん。一応名前を変えて出版してはいますが、まぎれもなく乙一さんの作品。

 

なので乙一さんが書いた恋愛小説というだけあって、ただ単に主人公が恋に落ちてハッピーエンドみたいな展開ではなく、一味も二味も癖のある仕上がりになってます。人間レベル2の僕って始まり方から一筋縄ではいかない予感がプンプンするし。

 

混じりっけなしの恋愛を乙一が書くとこうなる。それがよく分かる作品です。

 

因果応報の極み!/乱反射

 

地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に、残された家族は沈黙するしかないのか?第63回日本推理作家協会賞受賞作。(Amazon)

 

乱反射はアイデア勝ちみたいなところがある小説。それに貫井徳郎作品のイヤミス要素がふんだんに盛り込まれていますね。

 

あらすじにあるように小さな罪の連鎖がどんどん転がっていく様は読んでいてハラハラするし、ラストは文字通りただただ驚愕するしかない。

 

緻密にして大胆な仕掛けにあなたもきっと驚愕せざるを得ないでしょう。

 

ページをめくった瞬間から死刑台へのカウントダウンが始まる!/13階段

 

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。(Amazon)

 

死刑制度について深く考えさせられた作品。

 

テーマが重く、骨太な内容だけに読む人を選ぶとは思うのですが、緊迫したシーンの連続、登場人物の重厚さは見所の一つで、読めばきっと濃厚な読書体験が出来るでしょう。

 

江戸川乱歩賞を獲得しているだけあってその名に恥じぬ仕上がりです。

 

クリスティの代名詞!/そして誰もいなくなった

 

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作! 新訳決定版! (解説・赤川次郎/装幀・真鍋博)(Amazon)

 

クリスティといえばこれ。

 

色んなジャンルの作品に影響を与えた稀代の名作ですよね。内容やトリック自体は発行から時間が経ちすぎているので若干色褪せてはいますが、当時の空気感だったり、クリスティの筆運びを拝見できるというだけでも価値があるでしょうから、一度目を通しておいてもいい作品だと思います。

 

ミステリーを普段読まない方には尚更これがおすすめ。基本も基本。

 

真っ赤な蟹に癒される!/かにみそ

 

全てに無気力な20代無職の「私」は、ある日海岸で小さな蟹を拾う。それはなんと人の言葉を話し、体の割に何でも食べる。奇妙で楽しい暮らしの中、私は彼の食事代のため働き始めることに。しかし私は、職場でできた彼女を衝動的に殺してしまう。そしてふと思いついた。「蟹…食べるかな、これ」。すると蟹は言った。「じゃ、遠慮なく…」。捕食者と「餌」が逆転する時、生まれた恐怖と奇妙な友情とは。話題をさらった「泣けるホラー」。第20回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。(Amazon)

 

かに、いいですよね。めちゃくちゃ癒されるし、何よりかにって。

 

キャラ的にハンハンや寄生獣に影響されているのかな?って感じがしました。合理的な判断をするところや主人公と徐々に打ち解けていくところなんかはまるでミギーを彷彿とさせます。

 

知らない方には申し訳ないですが、そういう人でも多分かにの魅力にハマります。

 

メタファーの極み!/カエルの楽園

 

安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守り穏やかに暮らしていた。ある事件が起こるまでは―。平和とは何か。愚かなのは誰か。大衆社会の本質を衝いた、寓話的「警世の書」。(Amazon)

 

メタファーだけでここまで世界情勢や勢力図を的確に書き切っている小説はないでしょう。一応、登場人物(カエル)も作中の土地も空想上の設定にはなってますが、明らかに現実世界を隠喩していることは読めばすぐわかります。

 

そして寓話的に描いているからこそ、ニュース番組を見ているだけじゃ感じない世界の勢力図だったり、日本の置かれた立場みたいのがビシバシ伝わってくる。

 

本作は物語の持っている伝播する力やメタファーの効果的な使い方から、世界における日本の在り方みたいな部分まで学べる良作です。

 

これも一つの愛!/秘密

 

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった(Amazon)

 

率直にいえば、妻と娘が入れ替わるというファンタジーテイストがだいぶ強めの作品。

 

僕なんかは正直、ファンタジー色の強い作品は感情移入できないため敬遠していたのですが、「東野圭吾だし大丈夫だろう」とあたりを付けて読んだことろ、これが大正解。

 

読み終わってからというもの、もう涙が止まらなかった。賛否両論ある作品なんで感動する人はきっと管理人のように涙腺がぶっ壊れること必ず。逆に入り込みなかった人は「は?なんだよこれ」ってなるでしょうけど。

 

ミステリー小説の最高峰!/十角館の殺人

 

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!’87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。(Amazon)

 

今まで読んだミステリー小説の中で最上級に面白かった作品です。

 

何がいいって、驚愕の結末なのは勿論のこと、リーダビリティの高さ、登場人物のキャラクター、魅力的な世界観など挙げていけばキリがありません。

 

ミステリー好きがこぞって評価しているので、誰にでもおすすめできる作品だと思いますよ。

 

既視感ゼロ!/教場

 

希望に燃え、警察学校初任科第九十八期短期過程に入校した生徒たち。彼らを待ち受けていたのは、冷厳な白髪教官・風間公親だった。半年にわたり続く過酷な訓練と授業、厳格な規律、外出不可という環境のなかで、わずかなミスもすべて見抜いてしまう風間に睨まれれば最後、即日退校という結果が待っている。必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩。それが、警察学校だ。(Amazon)

 

警察学校を舞台に、教官が警察官を目指している若者をしごき倒すというストーリー。

 

ミス1つで篩からはじき出されるという緊迫したシーンの連続と冷徹な教官の存在に、読んでいるだけでこっちまで圧迫され苦しくなってしまう。

 

陰湿でいて泥臭い組織構造に時代錯誤を感じてしまったものの、これはこれで一つのフィクションの形としは面白いなと思いました。

 

 他に類を見ない傑作!/ジェノサイド

 

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。(Amazon)

 

「ジェノサイド」は圧倒的な文量とページ数、そして熱量をもって書かれた、確実に数100年単位で読み続けられていくであろう高野和明の超大作です。

 

ただ、かなりの分厚さがあるため途中で挫折してもおかしくないし、実際僕も積読のまま放置していた期間があるほどです。

 

でも最後まで読めば必ず「途中であきらめなくてよかった」と印象を変えざるを得ないほどの衝撃を受けますし、レビューで低評価を付けている人はほとんどいない。

 

近年稀に見る大作だと思います。

 

殿堂入りのイヤミス小説!/告白

 

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。(Amazon)

 

読後、嫌悪感と爽快感が同時に襲ってくるという新体験ができるイヤミスの女王が送る至極の胸糞小説。

 

この作品がイヤミスというジャンルを確立したと言っても過言じゃありません。湊かなえ作品に触れた事がない方は一読しといて損はないでしょう。

 

町田康、渾身の力作!/告白

 

人はなぜ人を殺すのか―。河内音頭のスタンダードナンバーにうたいつがれる、実際に起きた大量殺人事件「河内十人斬り」をモチーフに、永遠のテーマに迫る著者渾身の長編小説。第四十一回谷崎潤一郎賞受賞作。(Amazon)

 

過去に実際に起きた事件「河内十人斬り」を元に町田康さんが脚色を加えた作品が「告白」です。

 

本作のテーマは「人はなぜ人を殺すのか」ということ。その問いを出発点として物語は紡がれていて、町田康さんは作中でその難問にしっかり答えを出して物語を締めくくっている。

 

また、町田さんの凄いところは現代人なら思わず共感してしまうような人格を主人公に与えていること。

 

そんな本作には、現代人が他者と関係を築いていく上でヒントとなる気付きがたくさん詰まっています。

 

葛藤の末、人を殺めてしまった主人公の胸中やいかに。刮目せよ。

 

これぞSF!/アルジャーノンに花束を

 

32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。(Amazon)

 

海外SFにおける不朽の名作です。 

 

本作はアイデアもさることながら、何と言っても構成がめちゃくちゃ秀逸。ネタバレになるのであまり詳しいことは書けませんが、チャーリイの運命が悲惨過ぎてショックを受けるレベル。

 

頭が良くなったチャーリイは果たして幸せだったのだろうか。。

 

何なんだこれは。いや何なんだこれは!ZOO

 

いま最も注目される若手ナンバーワン、乙一の魅力爆発の短編集。毎日届く恋人の腐乱死体の写真。彼女を殺したのは誰か?「犯人探し」に奔走する男を描く表題作他、書き下ろし新作を含む10編収録。(Amazon)

 

乙一さんの代表作と呼び声の高い短編集。

 

表題の「ZOO」や、7つの密閉された部屋を舞台に殺戮が繰り返される話「SEVEN ROOM」、一方は寵愛一方は虐待を母親から受ける双子の姉妹の話「カザリとヨーコ」などオリジナリティの高い乙一さんの作品が1冊で楽しめるお得な作品集です。

 

どれも面白いのですが、確かドラマ化されたこともある「SEVEN ROOM」が管理人のおすすめ。

 

ここまでするか、普通。/隣の家の少女

 

1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は、隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い、一瞬にして、心を奪われる。メグと妹のスーザンは両親を交通事故で亡くし、隣のルース・チャンドラーに引き取られて来たのだった。隣家の少女に心躍らせるわたしはある日、ルースが姉妹を折檻している場面に出会いショックを受けるが、ただ傍観しているだけだった。ルースの虐待は日に日にひどくなり、やがてメグは地下室に監禁されさらに残酷な暴行を―。キングが絶賛する伝説の名作。(Amazon)

 

 先に閲覧注意、読む際は自己責任でお願いしますとだけ言っておこう。それだけ説明すれば十分でしょう。

 

ちなみに、レビューサイトで読んだ「デイヴィッドが一番残酷」という意見には完全に同意。デイヴィッドの罪は手を汚していない分一層重い気がしました。

 

気になる方は吐き気を催すことを覚悟の上お読みください。

 

洒落た会話劇に酔いしれる!/陽気なギャングは地球を回す

 

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!(Amazon)

 

ギャング団のコミカルでいて卓越したコンビネーションに注目の1冊。

 

陽気なギャングは、まるで寸劇や映画を観覧している客かのように物語に入り込めるし、するすると読める軽さがあっていい。それに加え伊坂作品の真髄であるウィットな会話劇が相も変わらず展開されていて、酔いしれてしまった。

 

陽気なギャングシリーズは、伊坂作品に馴染みのない方でも気軽に楽しめる良質なエンターテイメント作品だと思います。

 

巨悪に立ち向かう小市民のカッコよさよ!/ゴールデンスランバー

 

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。(Amazon)

 

伊坂幸太郎さんの集大成と評される作品。

 

伊坂さんの作品はどれもこれも好きなんですけど、強いておすすめを一つだけ上げろと言われたら迷うことなく「ゴールデンスランバー」を挙げますね。

 

まずもって謎が優秀(首相暗殺の濡れ衣っていう)だし、登場人物の中に主役級のキャラがゴロゴロいるし、ストーリーも申し分ないくらいよく出来ている。

 

それと小市民が巨悪な存在に立ち向かっていくという設定も大好物でした。

 

こんなのありかよって思わず叫んでしまう!?/葉桜の季節に君を想うということ

 

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。(Amazon)

 

叙述系小説の中でも1,2を争うほど衝撃的な結末が待ち構えている。皆さんも読んだ後、必ず声を出して驚愕するハメになるでしょう。

 

ミステリーをそこそこ読んでいる僕でさえ、実際「そう来たか!」って唸っちゃいましたから。

 

これは予想してても多分当てられないだろう。それくらい斜め上を行くミステリー。各賞を総なめしたことも納得です。

 

やぶ医者なのか?伊良部先生。/空中ブランコ

 

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?(Amazon) 

 

本作は神経科医の伊良部が、伊良部のもとを訪れた患者の症状を1篇ごとにハチャメチャな方法で解決していくという1話完結の短編集となってます。

 

読んでいる方は一見すると訳の分からない治療を施す伊良部に不安を抱いてしまいますが、その奇天烈さとなんだかんだで解決に導いていく伊良部の手腕に終いには魅力を感じられずにはいられなくなります。

 

非常に中毒性のある短編集。

 

ぐっちょね?/粘膜人間 

 

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐太は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?そして待ち受ける凄絶な運命とは…。第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。(Amazon)

 

マジでというといかにもマジっぽくなくなるけど、マジなので言います。「粘膜人間」はマジで他に類を見ないオンリーワンの作品です。

 

マジで他に類を見ない本作では手始めに河童が当たり前のように出てくるし、「そうだ。弟を殺そう」みたいなノリで兄弟が殺人計画を立てたりする。

 

けどここまでぶっ飛んだ世界観なのに、全く違和感なく読めたりするから凄い。

 

ある種ぶっ飛び過ぎているからなのかもしれないけど、普通の小説にはない読み応えは確実にあるので興味のある方はぜひ手に取ってみて下さい。

 

マジでぐっちょね。

 

心温まる感動巨編!/カラフル

 

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。(Amazon)

 

老若男女問わず楽しめる安心安定の1冊。

 

ファンタジー全開で若干の安っぽさはあるものの、所々で核心をつく一言に出会えるのは本書の魅力。

 

あなたもきっとハッとして目が覚めるような一文に出くわすことでしょう。そしてカラフルな日常を大切にしようと決心するはず。

 

児童からお年寄りまで幅広い層の人達に手に取って欲しい心温まる感動巨編です。

 

実話を元に書かれた池井戸潤の傑作!/空飛ぶタイヤ

 

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。(Amazon)

 

さすが池井戸作品といった感じの読後感。

 

上下巻の長きにわたって蓄積された鬱憤を最後の最後で解放させられた際に生じるカタルシスはそうそう味わえるもんじゃない。実話を元に書かれたというだけあってリアリティが半端じゃなく、それを丁寧に描き切っているのも手伝ってラストの感動はさらに一入。

 

間違いなく爽快な読後感を味わえる池井戸作品屈指の名作です。

 

グロミステリーの決定版!/殺戮に至る病

 

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。(Amazon)

 

叙述系ミステリーの定番作品ですね。

 

ミステリーにグロテスクを持ち込んだ異色の作品で、未だにこの作品のファンは根強く存在しています。

 

僕もまんまと騙されてしまいました。

 

あなたも味噌スープの中にいる!?/イン ザ・ミソスープ

 

夜の性風俗ガイドを依頼してきたアメリカ人・フランクの顔は奇妙な肌に包まれていた。その顔は、売春をしていた女子高生が手足と首を切断され歌舞伎町のゴミ処理場に捨てられたという記事をケンジに思い起こさせた。ケンジは胸騒ぎを感じながらフランクと夜の新宿を行く。(Amazon)

 

フランクの妖しさは異常。ハンハンでいうヒソカと同等、いやそれ以上に気持ちの悪いキャラクターだった。

 

けど、理解できないものを知りたくなるという人間の欲求を掻き立てられるのも事実で、気付かないうちにフランクのことを気にかけている自分もいた。それほどまでに珍奇で不気味な魅力がフランクにはあります。

 

またケンジとの関係性もよくて、最後のシーンは特に良き。

 

ゲーム性の高さが最高!/クリムゾンの迷宮

 

藤木はこの世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を覆う、深紅色の奇岩の連なり。ここはどこだ?傍ら携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」(Amazon)

 

バトルロワイヤルやインシテミルなどに共通した、物語の中にゲーム性を持たせているところが本作の売り。

 

まず、ゲームの世界に入り込んだっていう設定がワクワクするし、読んでても所々でちゃんと遊び心を刺激してくれる。こういう系統の作風が好きな方は必ず満足するであろう最初から最後までゲーム性の高い傑作。

 

ただただ、ビビる!/黒い家

 

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。(Amazon)

 

突飛な設定・展開といえばそうなんですが、身近で起こりえそうと言えばそうでもある。本作はそのリアリティとフィクションのちょうど中間に位置する恐怖を見事に捉えた貴志祐介のミステリーホラーです。

 

まず黒い家っていう抽象的なタイトルを付けているのも雰囲気が出てていいんですよね。そんじょそこらの心霊番組を見るくらいなら黒い家を読んだ方がよっぽど納涼効果がある。肝を冷やしたい方はぜひどうぞ。

 

隣の芝生は青く見える!/対岸の彼女

 

結婚する女、しない女。子供を持つ女、持たない女。それだけのことで、どうして女どうし、わかりあえなくなるんだろう。ベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めた専業主婦の小夜子。二人の出会いと友情は、些細なことから亀裂を生じていくが……。多様化した現代を生きる女性の姿を描く感動の傑作長篇。(Amazon) 

 

本作はタイトルに対岸とあるように、自分とは正反対の生き方をする人間との付き合い方や葛藤を描いた名作です。

 

真逆の属性を持つ者同士なだけに惹かれあう部分、反発しあう部分を巧みに描いているなと思いました。

 

一般的に人は他者と100%理解しあいたいという欲求を持っているものですが、それは土台無理な話です。例え家族や兄妹であってもその人が他者である限り、100%分かりあうなんてことは不可能でしょう。

 

でもだからこそ惹かれあうのだし、反発もしてしまう。

 

本作はそんな微妙な葛藤を、対岸の向こう側にいる人間として表現したことで強烈にあぶり出した、まるで心理学の本を読んでいるかのように感じてしまう良作です。

 

ありきたりな日常だからこそ!/キッチン

 

唯一の肉親であった祖母を亡くし、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居することになったみかげ。日々の暮らしの中、何気ない二人の優しさに彼女は孤独な心を和ませていくのだが…。(Amazon)

 

キッチンは登場人物の関係性とか空気感を温和に描いた心温まる系の作品で、世界中で翻訳されている吉本ばななさんの代表作です。

 

タイトルにあるように本作は、ありふれた幸せだったり寂しさだったりを日常生活のふとした瞬間、場面で感じられることの大切さを教えてくれます。それが主人公の場合キッチンだったということで、人によってはトイレだったり公園だったりするのかもしれませんが、大切なのはその存在自体。本書はそんな存在のかけがえのなさを優しく教えてくれるでしょう。

 

あと私見ですがこの作品に影響を受けた作家さんも多いような気がします。作風とか世界観の部分で。それくらいセンセーショナルな作品ということ。

 

土屋節炸裂!/われ笑う、ゆえにわれあり

 

愛ってなんぼのものか、あなたも禁煙をやめられる、何も考えないで楽しく生きる方法など、人間を哲学的に考察した抱腹エッセイ集(Amazon)

 

正確にいうと小説じゃなくてエッセイです。

 

著者は哲学者の土屋さんって人で、この人の文章は味があっていい。抱腹とありますが、大袈裟でも何でもなくいままで読んだどのエッセイよりも腹を抱えて笑いました。

 

それと1つのテーマが短いですしライトなタッチで書かれているので、移動中や空いた時間に読むのにもってこいだと思います。

 

哲学者ならではの鋭い考察と著者のユーモアが融合した抱腹絶倒のエッセイ。

 

摩訶不思議な世界への入り口!/ガダラの豚

 

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。(Amazon)

 

一気見必至の奇々怪々小説。

 

切り口が斬新で飽きさせない工夫が見て取れます。オカルティズムなテーマを扱っているだけにそれだけで敬遠されそうな小説ですが、科学的な視点から呪術や超能力を捉えているので胡散臭さはなく、むしろ安心して作品世界に身をゆだねることが出来ます。

 

癖の強い変化球みたいな小説なので、ハマる人はめちゃくちゃハマると思います。

 

ダメ人間はどこへ向かう?/苦役列車

 

劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。(Amazon)

 

「苦役列車」は芥川賞を受賞している他の作品と比べてみても段違いに読みやすい作品だと思います。

 

本作は私小説とあるように著者の過去や体験をベースに紡がれた物語です。主人公は日雇いの仕事をして何とか食いつなぎながら、自堕落な生活を無目的に続ける貫太という少年。

 

そんな貫太少年の行き場のない欲望、惰性で過ごす毎日、希望のない未来を苦役とみなした、まさにダメ人間のためのバイブルです。

 

それでいうとダメ人間を地で行っているような僕なんかはこれを読んで、1文ごとにイチイチ共感してしまいましたね。うん、わかるよ。うんうん。つって。

 

まとめ

 

というわけで以上です。

 

50作ある小説の中からあなたにハマる作品が見つかることを願いつつ、今回の記事を終わりにしましょう。

 

ご拝読感謝です!

 

 

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